育そだちてあれば微ほほ笑えみて、親おやとして呼よび縋すが来こん。
その名なを呼よべ顔かお上あげて声こえも明あかるく駆かけ寄よらん。

昭和47年、某・大手病院産婦人科医の発願による建立、以来、多くの信者により信心護持されています。
水子とは、この世に生まれる事の出来なかった小さなお命、
成長が叶わなかったお命、この世で縁の浅きお命の事を言います。
生みたくても生めなく、育って欲しいのに育つことなく、
守るにも守れずして、残された者の苦しみや悲しみが未だによぎる事は当然ですが、
とてもとても切ない事実でもあります。
思い起こせば、心の整理もなかなか付かず、
母として・父として・親として、手を合わせる事実・涙を流した事実を感じ得た事かと存じます。
そもそも供養とは、供養される側・供養する側と、供に養いを得る事を言います。
小さなお命へ読経を唱え、今のお気持ちを伝えつつ、
御霊の安寧、家内安全・子孫長久、親のお心のやすらぎへとご冥福を冀う為のものです。

一昔前は、お爺ちゃん・お祖母ちゃん・不幸にして亡くなった御霊に対し、
お盆やお彼岸には、お墓参りやお仏壇参りを自然に執り行われていました。
しかし、以心伝心の如く、お仏壇やお墓は先祖代々継承するのが一般的でしたが、
昨今は、家族の形態・お考え・ライフスタイルが多様化しています。
ご子孫様やご遺族様に代わり、
當寺が大切な故人様のご遺骨やご供養、永代に亘ってお勤めをさせて頂きます。

昨今は家族の形態・お考え・ライフスタイルが多様化していると同時に、
葬儀や法事に関しても多様化しています。
特に葬儀では、本来の形が変わりつつある傾向にあります。
常識や古来の教えを押し付けようとは申しません。
今日本には、仏教系を始め、神道系やキリスト系、諸経等々、
実に沢山の宗教が存在をしております。
貴方が崇拝する宗教、或は無宗教的な考えもあるかと存じますが、
ご承知の通り、何事も手を合わせる姿は絶対不変であります。
只、僧侶が営む葬儀には、
故人を弔う為・念や魂や想いを弔う為・ご縁に気づき感謝をする為・ご遺族様の心の安らぎの為、
仏教の教えを通じて厳修するものであります。
亡くなった人の魂を供養するのは、人間としてごくごく自然であたりまえな事で、
見返りを求めるのでなく無条件な行為であると信ずるものであります。